映画「エレファント」と服の話。
「ELEPHANT」
2003年 ガス・ヴァンサント
あらすじとしては、全米を震撼させたコロンバイン事件を元に、そこに暮らしていた生徒達の日常を描いたうえでその事件が起きた瞬間を捉えたというもの。
最後の15分までは淡々と10代の学生の日常がダークな雰囲気をちらつかせながら突き進んでいきます。
問題を抱えた父親の面倒を見ていたり、カメラで写真を撮るのが好きだったり、
「イケてない子」としてレッテルを貼られる地味な女の子がいたり…と自らの学校時代を思い返しても思い当たるフシがある人々ばかりがアメリカの郊外の高校にも存在していることを知ることが出来ます。
そんな中、世の中のすべての視線を一点に集めた事件が起きます。
全ての人に存在意義、生きる価値があると耳にしたことがありますが、その反対も言えるのではないかと考えてしまう衝撃的なラスト。。。
「人は、皆平等に価値がない」という言明を本気で受け入れられる人はあまりいないように感じますが、この映画はそこへの挑戦をも示していると思います。
蛇足かもしれませんが、ガス・ヴァンサント作品は多くのアーティストやデザイナーにも影響を与えており、
ドメスティックブランド「FACETASM」の17SSコレクションでは上記写真のトレーナーをサンプリングしたアイテムも登場していました。
雑誌POPYEのインタビューでもデザイナーの落合氏は、影響の受けた映画にエレファントを紹介していました。
やはり、映画や音楽、サブカルチャーは服と密接な関係があるように感じます。
自分が何かクリエイトするときに、外的要因ではなく内的な感情や鬱憤を発散させるエネルギーとともに自分が影響を受けてきたカルチャーを感じ取れるようなモノを作りたいと感じました。
次回はゆるーく服のお話をできればと思います。
おたのしみに!