ムヒカ「世界一貧乏な大統領」と映画TIME。
2010年〜2015年の間、ウルグアイの大統領を務めたムヒカ氏。
外遊はエコノミークラス、豪華な大統領公邸ではなく郊外の質素な農家に住み、個人の資産は中古のフォルクスワーゲンのみ。
街の食堂で庶民と一緒に昼食をとり、服装は常にノーネクタイにサンダル履き。
このような公私に渡る清貧さから、ウルグアイ国内で“ペペ”の愛称で親しまれ、
国内のみならず世界中の人々に熱狂的なファンを生み、「世界でいちばん貧しい大統領」と呼ばれています。
あるテレビ番組で 「世界一貧乏な大統領と言われるのはどんなお気持ちですか?」 と質問された時、
彼はこう答えました。
「貧しいとは、私をそう呼ぶ人達のことで、必要としすぎる人達のことだろう。彼らは満足する事がないからね。私は質素だが貧しくはない。」
「多くの物を持たず、必要な物だけで慎ましく生きている。物質な物に囚われ過ぎないようにね。」
「それは何故かと言うと、自由な時間を持つためだ。自分が好きなことをするためなんだよ。」
「生きるとは時間を持つことだ。」
TIME IS MONEY と言う言葉の通り、人生の時間こそが最も価値ある資産だと語りました。
「お金を稼がないと」という考えは日本では当たり前ですし、ある程度は稼がないと生きてはいけません。
決して「働くな!」と言っているのではなく、
「物や家、車など、他人からの承認欲求を満たす為にお金を使良すぎるな」
という教訓です。
また、インタビューでこのように語っています。
「私達はそもそも必要の無いものを山のように買っては捨てる。それは人生の無駄だ。」
「私達はそれをお金で買っているのではなく、そのお金を稼ぐために使った人生の時間で支払っているんだ。」
「そして大事なのは、人生はお金で買えないところであり、人生の時間が短くなるだけだ。」
物を買うために支払っているのは、お金という物質的な物ではなく、私達の時間だということ。
ここで、ある映画を紹介します。
「TIME」
2011年のSFドラマで、
「時間=通過」になった世界を描いた作品です。
この作品では、人々は働いて、時間(寿命)を稼ぎます。
SFではありますが、今の社会を前衛的に表した作品ですので、是非一度見てください。
最後に、国連の持続可能開発会議で139カ国の代表を前にしたスピーチで、ムヒカ氏はこう語った。 「幸福に逆らう開発はあってはなりません。 幸福のために開発があるからです。」
「地球・人間・絆・子供の教育・友など基本的な物のためにあるんです。幸せが私たちが持つ貴重な宝なのです。」
「この世はビジネスや経済だけではない。愛情を育むだけのゆとりを持つべきです。」
「愛のない人生など寂しすぎるでしょう。」